『三谷幸喜のありふれた生活8 復活の日』

三谷幸喜のありふれた生活8 復活の日

三谷幸喜のありふれた生活8 復活の日

朝日新聞の週刊連載エッセイをまとめたシリーズの最新刊。ふだん文庫本以外は買わないようにしているのだが、このシリーズは特別。

仕事について、仕事でかかわった人々について、家族のこと、ちょっとした出来事など、いわゆる三谷さんの身辺雑記なのだけれど、巻を重ねても少しも飽きない。才能があっていい仕事をし続ける人については、「本業の作品」を心待ちにして味わえるだけで同じ時代を生きる喜びに堪えないんだけど、「その彼の日常」までもこうして届けてもらっちゃって、「ありふれた生活」は、とても幸福で、レアな“おまけ”だ。連載を続けるためにあらゆる努力をしてくださいね、朝日新聞の編集者さん!!

単行本化にあたっては、毎回、巻末に特別インタビューや寄稿などがあるんだけど、今回は「東京サンシャインボーイズ」の面々が集まっての座談会。西村雅彦、相島一之梶原善小林隆阿南健治甲本雅裕など、いまやテレビドラマでもひっぱりだこの役者たちが勢ぞろいして語る20年も前のできごと、これが面白くないわけがない! 中でも、「ラヂオの時間」初演・しかも初日のバタバタ劇のくだりは、3回読んで3回とも爆笑。また、演出家として、劇団員に対して「とても怖かった」という三谷さんの知られざる一面もリアルに語られている。