FNS音楽祭の季節!

昨日は、午前中はひどい貧血のようにくらくらするわ、午後は万力で締められるような頭痛だわで、仕事するのが本当につらかった。でも食欲はあったのだよね。夫が有休をとっていたので、夜ごはん作ってくれるかなーと期待しながら帰る。

「ただいまー、今日は体調悪いよ。」
「おかえりー、じゃ、うどんかなんかにする? あれ解凍中だけど」
と言って夫が振り返った台所のカウンターには、す、ステーキ肉が!
「食べます。食べれます!」
肉を見た段階で、すでにHPが一気に半分くらい回復した。

食べた後は、仕事中に比べるとだいぶ良くなったもののやはり頭を押さえながら(・・・ええ、食べてる最中は忘れてましたよ)、新しいパソコンに音楽データなど移す。ローテク(はい、今日の死語)なこの私が、がんばったよーあれこれ調べたりしながら。すっごく時間かかった。終わったあと、久しぶりに「ビール飲みたい!」と真剣に思った。飲まなかったけどね。在庫がないから。

今日は体調がとってもいい。夫はかわいそうに残業で遅くなるらしい。はりきってごはん作りますよ。今夜は、秋鮭のねぎ味噌ソースがけ(きのこつき)、チンゲンサイと大根のおかかポン酢和え、わかめとエノキのゴマスープ、ひじき煮です。いつものことですが、できたらさっさと先に食べますよ。

て感じで、家事したりごはん食べたりしながら見てたのが「FNS歌謡祭」。これを見ると年の瀬の始まりって感じがする。フジテレビも力の入れっぷりがすごい。司会は、草なぎ剛とアヤパンと黒木瞳(と男性アナウンサー)だ。女性ふたり、レコード大賞か紅白かってくらいに着替えること着替えること。舞台はプリンスホテル新高輪の「飛天」の間。不況なんのそのの大シャンデリア。そんなお膳立ての中、テレビをつけて最初に聞いたレミオロメンが衝撃的なほど下手だったので度肝を抜かれた。聞いてはいけないものを聞いてしまったようだった。あれが彼らの実力ではないと信じたい。きっと、モニターかイヤホンの調子かなんかが悪かったのだ。そうよね?!

ものすごく流行った歌というのは好き嫌いにかかわらず独特の雰囲気をまとって聞こえるもので、年の瀬にそういうのをまとめて聞くのはなんとなく趣深いのだけれど、聞いてても「流行ったな、これ」て感じがしない曲の多いこと。これは、私が年をとったというのもあるけど、やっぱりもう、国民共通のヒット曲っていうのは、1年にそうそう生まれない時代ってことよね。それがいいとか悪いとか論じるつもりはないけど。

だって、8時またぎも9時またぎも、「懐かしの名曲・名場面」コーナーだったもん。ちなみにその前後にはSMAPや嵐といったジャニーズ陣、あるいは準ジャニーズ(違)の東方神起などを配するガッチガチの作りでした。

それにしても懐かしのコーナーは片時も目が離せない。こういうときには必ず見たい人が何人かいて、今日は沢田研二世良公則&ツイストという日本の'70年代が誇るロックスターと、若き日の和田アキ子が見られて満足である。和田アキ子は中でも一番好きな「あの鐘を鳴らすのはあなた」だった。スケールが大きく、はればれとした歌なので年の瀬にぴったり。できれば紅白は毎年これでいってほしいものである。

ちなみに、「紅白では毎年これを歌えよ!」シリーズというのはほかにもあって、北島三郎は「祭り」(だっけ? 祭りだ祭りだ〜♪って歌)、谷村新司「昴」天童よしみは「珍島物語」・・・などがそれにあたる。石川さゆりについては、「津軽海峡冬景色」と「天城越え」に甲乙つけがたいので、1年交代で歌ってほしい。あと、「もうその歌はいい!」というのには、SMAPの「世界にひとつの花」がある。・・・が、今日の番組でもトリがこれだった・・・。

さすがFNS歌謡祭だと思ったのは、単なる懐かしの名曲映像だけではなくて、「コラボ」シリーズと「カバー曲」シリーズというコーナーも作っていたことである。藤井フミヤ×松田聖子(聖子、その気になりすぎ)、吉川晃司×アン・ルイス(吉川晃司、アンルイスの背後で腰振りすぎ)、安室奈美恵×ガクト(ふたりとも相手に興味なさすぎ)など、面白かった。カバー曲では、松田聖子が1984年に歌った「あなた」が圧巻! とにかく、こういう映像で出てくるかつての聖子の圧倒的な存在感よ! アイドルとしては群を抜く歌のうまさだからね。声の抜けっていうか、通りの良さがすごい。

コラボの最後で、山口百恵が引退前に"夜のヒットスタジオ"に出たときの珍しい映像を流していた。本人は歌わずに、当時親しかった(?)歌手たちが一人ずつ、彼女のそばに寄り添って彼女の歌を歌うのである。小柳ルミ子(若い!)が『しなやかに歌って』、森昌子(若い!)が『秋桜』、そして桜田淳子(若い!)が『いい日旅立ち』。ここで百恵ちゃんも目に涙を浮かべ、淳子は後半、もう涙で声にならないほどなのだが、テレビの前の私もホロっときてしまった。百恵引退のとき、私は物心もついてないので、特に思い入れはありません。この歌のもつ力と、映像というものの力。いや、やっぱり、楽曲の良さだよなあ〜。なんていい歌なんだ。

あと、もう1か所印象深かったのは、槇原敬之森高千里ヒットメドレー(いろんな人がかわるがわる出てきて歌う)のラスト。あ、マッキーの声はやっぱりいいよねえ。これにソウル風味を足すと平井堅になるよね。「冬が始まるよ」とか「北風」とか「私がオバサンになっても」とか「17才」とか、中高生時代に流行った歌が次々と歌われ、最後に森高千里が出てきてひとりで「渡良瀬橋」を歌いだす。ちょっと顎まわりがふっくらして、でも目がキラキラして美人さんな森高。かわいい声も変わらず、ヘタウマな歌い方も変わらず、でもブランクがあるので緊張した面持ちで一生懸命に、あの哀愁をたっぷり含んだ歌を歌う森高を見てると、なんだか妙にぐっときて泣いてしまったよ・・・。たぶん、こんな三十路女子は私だけじゃないと思う!

突然LOVE PSYCHEDELICOが出てきて「So this is Christmas・・・」とやりはじめたのにもびっくりしたけど、夫としゃべりながら見てたら、最後のあたりであわててギターを取り替えてたのはどんなトラブルだったんでしょうか?