旅行中に書いたもの

●9月5日(土)

午後2時、ブセナ岬へ到着。リゾートホテル生活の始まりです。
私たちにとっては張り込んだかいあって、すてきすぎる環境!
泳いで、食べて、古酒バーで泡盛を飲み、お風呂にも入って、血行が良くなった体の隅々までに、今またオリオンビールを運搬している。
ソファに寝転がりながら読んでる本は、このショートバカンスにお誂え向きと数日前に買っておいた『もうひとつの季節』。著者の保坂和志の近影が表紙をめくったところにあるんだけど、いつ見ても村上春樹に似てるわ、、、

●9月6日(日)

泳いだ、泳いだ。朝は10時過ぎから夕方の4時まで、昼もビーチサイドのホットドッグ(と、ビール)で済ませて、ひたすら泳ぎ、たゆたった。いやー、自分がこんなに海んちゅ(?)だとは知らんかったぜ。

今夜もオリオンビール泡盛の古酒を飲み、部屋に帰ってひとしきり暴れて夫を疲れさせて寝かしつけることに成功。楽しい夜ののんびり時間だ。

日曜洋画劇場で『プリティウーマン』をやってて、途中からだったけど一時間ちょっとかな?思わず最後まで見てしまった。

中学か高校のときですら、既に「なんじゃこりゃ?」て感じで見たのを覚えてるが、いやー、いま見ると、一周まわったおもしろさがあるね。なんだ?この、いい年した男女の乱痴気騒ぎは。
公開当時、これってどんな層がターゲットだったんだろう。普通にデートムービーだったのか? あのころ、“スイーツ(笑)”なんて言葉はなかっただろうけど、やっぱりそれ? 

とはいえ、最後まで見ちゃったもんなあ。ひとりで。しかも、ちょっと泣いてしまったよ。ラスト近く、女友達と別れを惜しむとこ。「なんて唐突で根拠に乏しいシーンなんだ」「この女友達は嫉妬という感情を置き忘れて生まれてきたのか?」「お金で人は生まれ変われるってことね」なんて、三十路社会人としては至極自然な感想の数々が頭を渦巻いていたが、あのシーンがもつ、有無をいわせぬ力強い希望感みたいなものにやられてしまった。

こういう偶然のなりゆきで見た映画とか、わざわざ家から持ってきて読んだ本のことって、きっと忘れないものなんだよね。沖縄の海のエメラルドグリーンや強すぎる日差し、何度も口に入ったしょっぱい海水と、セットで思い出すんだろう。真っ赤な体でぐうぐう寝てる夫を、心底かわいいなーとばかみたいに思いながら、携帯でせこせこブログ書いたこととかもね。

特別な時間の中に、しょーもない記憶をまぎれこませて閉じ込めるようなことが好きでたまらん。この手のしょーもなさは、実はかなりプライスレスなオプションだと思えてなりません。