三角市場で立ち飲み

携帯も財布も家に忘れて会社へ。すごい丸腰だ。

ま、べっつに困らないもんねー。お弁当持参だから飢えないし。携帯だって、帰ってから見りゃじゅうぶんだろう。
はっ。でも、今朝は煙草を切らしていた。ああ、ニコチン依存の悲しさよ・・・
先輩から千円ふんだくる。(翌日返した)。

水と煙草を買っておつりの600円をポケットに、夕方、会社のパソコンで夫にメールする。
『はぁ。焼き鳥食べたい・・・』
連れて行ってくれた。
電気ビル北館の「竹乃屋」。割引券をもってたらしく、酒類だけでもふたりで6杯は飲んだのに、お会計は合計3,500円だった。

調子づいて、2次会へ。
福岡のみなさん、渡辺通2丁目の「三角市場」って知っとう?
電気ビルの裏手ね。
城南線沿いに、えらくこじんまりとして、明らかに「昭和の世界へようこそ」然とした古いアーケードの入り口があって、入ると左右に小さなお店がひしめいている。
昭和25年からこの場所にある商店街なんだって。

職場のすぐ近くなので、夫はもう10年もここらで1杯やってるらしいが、私はきのうが初めて。

「立ち飲みでいいよな」と連れられて入った角打ちのお店、カウンターの中から「いらっしゃーい!」と威勢いい声かけてくれたのは、あ、知ってるー、このかわいくてきっぷのいいお姉さん。オーナー兼板前さんの奥さんだよね。そっか、ここは「赤星」系列の立ち飲み屋なんだね。夫曰く、ここが赤星最初のお店なんだって。オーナー夫婦は30代前半でこの辺に3つのお店をもってるということか。がんばるなー。

「あら、おひさしぶりでーす!」なんて夫は超かわいい奥さん(永作博美的)に言われてる。
「や、先週もA藤さんたちと来ましたよ、ほら、大雨の日」
「ああー、あの日ね、いたいた」
私、会話に入って、
「大雨の日って、ここの商店街、だいじょーぶだったんですか?」
と聞くと、
「平気平気。ここはバスが通るたびに震度2だし、それで慣れとうけん、中におったら、ようわからんとですよー」
奥さん、忙しく立ち働きながら、からから笑って答えた。

こんなにかわいくて、働き者で愛想も良くて、しかもまだ若い奥さんが男心をつかまないわけがなく、店内は連れだったサラリーマン諸氏でひしめいている。カウンター内の奥さんが明るければ店内全体が明るくなるというもので、ここでは「しんみり」とか「しっぽり」とかいう感じで飲んでいる客は皆無。

みんなやたらと陽気に飲んでおり、注文も「○○ちゃーん、芋水〜、愛情たっぷりで!」なんて感じでかかったりする。「はいはいー、そこそこに入れときまーすねー」なんつって、奥さんの返しも軽い。てか、奥さん、会計の時「はい、2,800万円です!」なんて懐かしすぎること普通に言ってたし・・・・。まさに昭和な店内だ。あ、ちなみに芋水=芋焼酎の水割ですが、これが普通に通じるのは博多だけですか?

猥雑な熱気にあたって、ついついおかわりがすすみ、ここでも3杯ずつ。ほろ酔いで自転車押しながら帰ってると、道端で夫が職場の元・取締役?にばったり会う。赤い顔して、「どーもどーも、いつもお世話になっております!」と、自転車のハンドル握ったままぺこぺこ頭を下げた。