『それでもボクはやってない』

周防正行監督作品。DVDで見る。

それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD]

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超話題作なので、あらすじはだいたい知ってたんだけど、それでも見ごたえあったー。淡々としてるのに1シーンも見逃せない!ていう緊張感。映画を見たな、ていう満足感。

映画生活』サイトやなんかで人々の感想を読むと、「この映画が、どうのこうの」っていうより、「痴漢冤罪の怖さって、どうのこうの」だとか、「警察や裁判所って、どうのこうの」ていう視点のものが、ものすごく目立った。見る人をのめり込ませた証拠といえるでしょう。

脚本や演出の素晴らしさはあらためて言うまでもないが、キャスティングの妙にも感心。もちろんちょっとカッコいくて素朴で、でもじゅうぶん一般人らしい加瀬君の主人公は、まるでドキュメンタリーを見てるかのように、見る者をするっと感情移入させる。でもこの映画、内容が内容なので、そういう、いい意味で「役者臭のない」人ばっかりだと、「これはノンフィクションか?」てくらいに、つらくて嫌〜な気持ちになってくる。

途中から役所広司が主人公サイドの弁護士として出てきて、「あ、これは映画だったー、そうだ、フィクションだよー」って、無意識のうちにホッとした気がしたのだ。んで、さらにあとから登場する小日向さん。この人の登場シーン、相当さりげないがゆえに、なおさら「おおっよく見る顔だー!」と期待を煽り、果たしてその役どころは、、、て感じで、とにかく、2時間以上あるこの長い映画を、少しもダレさせない。