『やがて哀しき外国語』 村上春樹

私が人生でもっとも繰り返し読んでいるエッセイの一つ!1991年、アメリカのプリンストン大学に客員教授として招かれ、当地に暮らした2年間のあれこれをつづったこの本は、私の “比較文化論考”(大げさ)のルーツといっていいかも。もちろん学術書じゃない、…

長月の一 / シャキーン・ミュージック「にほんご音頭」、『ゴロウ・デラックス』に東山彰良

●9月某日: 8/28から新学期、また「シャキーン!」にエンカレッジされる朝が始まった。今のシャキーンミュージック「にほんご音頭」も最高! 昔から伝わる、あるいは文筆家たちが書いたいろーんな擬音語・擬態語を並べて盆踊り風なアレンジと振付をして、モ…

『暇と退屈の倫理学』 國分功一郎

毎日ヒマを持て余す子ども時代、スチャダラパーの『ヒマの過ごし方』をこよなく愛する中学時代を送った私が読まんでどーする?! ってな本ですよ。哲学書なんて人生で初めて読んだかもしれない…。だいたい、哲学自体がヒマのたまものって感じもしますよね(笑)…

『いつも旅のなか』 角田光代

いつも旅のなか (角川文庫) 作者: 角田光代 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2008/05/23 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (25件) を見る 夏休み中、facebookなんかでも小旅行記みたいなものはいくらでも回ってくるし、SNSと…

『想像ラジオ』 いとうせいこう / 大震災を経た世界に

2013年3月に単行本が刊行。その頃から気にはなりつつも、なかなか手を伸ばせなかったのは、やはりこの小説が「震災」それも「死」を扱っていると書評等で知っていたからだ。そういう物語に飛び込むには、何か「エイヤッ」という気持ちが必要だった。読み終わ…

『現代の地政学』 佐藤優

現代の地政学 (犀の教室) 作者: 佐藤優 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 2016/07/23 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 『恐怖の地政学』 を読んで面白かったので、地政学についてもっと読んでみたいなー、前のはアメリ…

『「助けて」といえる国へ ~人と社会をつなぐ』 奥田知志

「助けて」と言える国へ ──人と社会をつなぐ (集英社新書) 作者: 奥田知志,茂木健一郎 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2013/08/21 メディア: 新書 この商品を含むブログ (7件) を見る 元シールズ代表の奥田さんのお父さん、といったほうが「ああ」ってなる…

『春になったら苺を摘みに』 梨木香歩

春になったら苺を摘みに (新潮文庫) 作者: 梨木香歩 出版社/メつーカー: 新潮社 発売日: 2006/02/28 メディア: 文庫 購入: 9人 クリック: 38回 この商品を含むブログ (132件) を見る ひと月ほど前の旅行に携行して3年ぶりくらい?に読んで、ところどころ涙し…

『作家的覚書』 高村薫

作家的覚書 (岩波新書) 作者: 高村薫 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/04/21 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 『黄金を抱いて翔べ』や『マークスの山』で知られる小説家、高村薫が雑誌に連載したものなど、時評集。2014年から2016…

『赤朽葉家の伝説』 桜庭一樹

赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) 作者: 桜庭一樹 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2010/09/18 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 66回 この商品を含むブログ (68件) を見る ある方の読書ブログでたまたま見かけたのがきっかけで読んだ。すっっっごく…

『ユタとふしぎな仲間たち』 三浦哲郎

『忍ぶ川』の三浦哲郎の作。20代の初めに読んだ『忍ぶ川』には当時けっこう思い入れがあって、どこかに感想を書いたと思うのだがネットの大海の藻屑と消えたのか見つかりませぬ。 ユタとふしぎな仲間たち (新潮文庫) 作者: 三浦哲郎 出版社/メーカー: 新潮社…

『俳句と暮らす』 小川軽舟

俳句と暮らす (中公新書) 作者: 小川軽舟 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2016/12/19 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 小川軽舟、という文字通り軽みのある優しげな俳号と、文学であり芸術である俳句が「暮らす」という生活感の滲…

『三四郎』 夏目漱石

ふと、本棚から引っぱり出して読んでみたら、めちゃめちゃ面白かった。たぶん、大学生か社会人になったばかりのころに買って読んだのだと思う。もちろん、あらすじはだいたい覚えていた。でも、受ける印象がまるで違う。熊本の高校を出て東京の大学生になっ…

『みちのく民話まんだら ~民話の中の女たち』 小野和子

どんぐり文庫の梶田さんからおすすめいただいて読んだ本。聞いたことのない筆者に出版社、【みちのく】東北地方の民話(ここは福岡)。梶田さん、さすがニッチなところまでよくご存じだなあ、と思って軽く読み始めたら・・・最後はもう号泣ですよ。民話は、…

『恐怖の地政学 ーーー 地図と地形でわかる戦争・紛争の構図』

恐怖の地政学 ―地図と地形でわかる戦争・紛争の構図 作者: ティム・マーシャル,甲斐理恵子 出版社/メーカー: さくら舎 発売日: 2016/11/04 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 新聞の書評欄で紹介されていたのがきっかけで…

『長くつ下のピッピ』 アストリッド・リンドグレーン

長くつ下のピッピ (岩波少年文庫 (014)) 作者: アストリッド・リンドグレーン,桜井誠,大塚勇三 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2000/06/16 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 33回 この商品を含むブログ (49件) を見る 『床下の小人たち』に続いて、…

4/2 朝日新聞 書評欄 『海と生きる作法 漁師から学ぶ災害観』 川島秀一

同じく4/2 朝日 #新聞 書評欄。『海と生きる作法 漁師から学ぶ災害観』川島秀一。著者は気仙沼出身の民俗学者で、震災で母を亡くし実家は流失した。三陸は陸の孤島と呼ばれるが、それは東京を中心に鉄道網が敷かれた明治以降のことで、黒潮と親潮が交わる世…

4/2 朝日新聞 書評欄 『福祉政治史 格差に抗するデモクラシー』

4/2 朝日 #新聞 書評欄。『福祉政治史 格差に抗するデモクラシー』(田中拓道)百年に及ぶ長期的な視点から福祉国家の形成と変容を分析。グローバル化、ポスト工業化、家族の変容という共通の問題に面しながらも、近年、先進諸国がおしなべて福祉の縮減に向…

3/26 毎日新聞 書評欄 『検証 アベノメディア 安倍政権のマスコミ支配』 『安倍三代』

3/26付 毎日 #新聞 書評欄に安倍政権関連の2冊。『検証 アベノメディア 安倍政権のマスコミ支配』(臺 宏士)著者は元新聞記者。「政府や与党が報道内容を巡って放送局に繰り返し干渉。政府が右というものを左というわけにはいかない、というNHKトップの…

『人質の朗読会』 小川洋子

人質の朗読会 (中公文庫) 作者: 小川洋子 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2014/02/22 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (13件) を見る 連作短編集、ということになるのだろうか。その舞台としては、本のタイトルが示す通りとても特殊な設定がな…

3/19 西日本新聞 書評欄 『裸足で逃げる』 上間陽子~崖っぷちを生きる沖縄の少女たち

裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち (at叢書) 作者: 上間陽子,岡本尚文 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2017/02/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る ネットでも何度か書名を見かけた『裸足で逃げる』(上間陽子)、3/19付 西日本 …

2/26 西日本新聞・書評欄 『昭和天皇の戦争』山田朗 『思想戦 大日本帝国のプロパガンダ』バラク・クシュナー

さて、2/26 西日本 #新聞 書評欄。『昭和天皇の戦争』山田朗著。「平和主義者であったと認識されている昭和天皇が、意外にも積極的に戦争指導に関与していた史実を実証的に明らかにする本」とある。評者は『それでも、日本人は戦争を選んだ』の加藤陽子。— …

『セーヌの川辺』 池澤夏樹

セーヌの川辺 (集英社文庫) 作者: 池澤夏樹 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2013/06/26 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 2005年から2008年の雑誌連載をまとめたもの。妻子とともにパリ郊外の町フォンテーヌブローに住んで1年が経った頃…

睦月の十一 / 小澤俊夫講演会 「世界のむかしばなし」

●1月某日: サク弁、牛肉、スクランブルエッグ、粉ふきいも、ほうれんそうとにんじんと鶏ミンチの甘辛煮。サクを送っていったあと、その足でクラスのママ友と太宰府、絵本専門店「あっぷっぷ」へ! 今日は友だちに誘われて、小澤俊夫さんの講演会に行ってき…

『ろばの子 ~昔話からのメッセージ』

ろばの子―昔話からのメッセージ 作者: 小澤俊夫 出版社/メーカー: 小澤昔ばなし研究所 発売日: 2007/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る どんぐり文庫の梶田さんにお借りした本。今年1月に、筆者・小澤俊夫の講演を聞く機会があったことをお話…

『床下の小人たち』 メアリー・ノートン

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫) 作者: メアリーノートン,ダイアナ・スタンレー,Mary Norton,林容吉 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2000/09/18 メディア: 文庫 購入: 18人 クリック: 323回 この商品を含むブログ (97件) を見る …

『下り坂をそろそろと下る』 平田オリザ

下り坂をそろそろと下る (講談社現代新書) 作者: 平田オリザ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/04/13 メディア: 新書 この商品を含むブログ (7件) を見る 人口減少、少子高齢化、過疎。そして被災地。タイトルの「下り坂」とは、私たちの国、日本のこと…

『社会の抜け道』 古市憲寿、國分功一郎

社会の抜け道 作者: 古市憲寿,國分功一郎 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2013/10/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (11件) を見る 約3年ぶりに再読。あれからテレビ出演等でネットではすっかり悪名高くなった古市氏ですが(笑)、この本は気軽に…

『ねじまき鳥クロニクル』 全3部 村上春樹

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1997/09/30 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 149回 この商品を含むブログ (508件) を見る 2016年最後に読んだ本。なんと初読。第三部までみっ…

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』 加藤陽子

それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫) 作者: 加藤陽子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/06/26 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (13件) を見る 何年か前、網野善彦の『日本の歴史をよみなおす』に、“すべての日本人に読んでほしい!”と…