睦月の一

●1月某日: 某日っていうか元日です。ここ福岡の初日の出予想は7:23分だったのに、すばらしい晴天だったのに、うっかり布団でごろごろしてて見忘れてやんの・・・・。

サク、起きるとさっそくゆうべの「0655・2355年越しスペシャル」の録画を見る。まぁホント面白い番組ですよね。楽しくてかわいいだけじゃなく何となく知的な気分にもなるし。

義実家にならって、朝昼兼用のごはんを10時ごろ食べることにして、準備。小さめのお重におせちを詰める。中身は、ローストビーフ、イカ焼き、黒豆、昆布巻き(買った)、穴子巻き(いただきもの)、田作り、紅白なます、卵焼き。それに、夫が作ったがめ煮と、お雑煮。がめ煮はともかく、初挑戦の雑煮の美味さに唸った。今さらながら、料理センスある夫だ。ちなみに博多のお雑煮なので丸餅を煮るやつね。カツオ菜、椎茸、鶏、里芋でした。お屠蘇の流れで、冷酒を1瓶あける。300mlくらいだったかな。美味しかった。

夫と分担したら、正月料理も無理せずそれっぽいものを用意できるんだなーと収穫になった。蟹も海老も伊達巻きにも、あまりこだわりがないのでパスしたら、見た目も色合いも豪華さに欠けたけど(笑)、自分たちが食べたいものを飽きない程度の分量だけ用意して美味しくいただくって楽しいなと思ったことだった。ローストビーフもなかなか良かったので、来年、義実家に持って行こうかねという話に(あちらでは作らないので)。

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サク、さっそく年賀状を取りに行って、仕分け。幼稚園の友だちのうちなどから来たのをうれしそうに見てる。12時過ぎ、初詣へ。徒歩10分くらいのところに、大きくもなく小さくもなく由緒正しく手入れの行き届いたほどよい神社があるのだ。駐車場空いてるねーって言いながら正面に回ったら、わ、わ、めっちゃ並んでる! お天気がよく寒気も和らいでいて、初詣日和だもんね。参拝まで30分くらいかかったかな。ふだん行列に並ぶことなんてまずないので、貴重な経験。サクも落ち着いて機嫌よく待ってた。お神酒をいただき、おみくじは私とサクが大吉(小躍りして喜ぶサク)。夫は小吉だったけど、内容はいいことばかりが書いてあった。

帰宅して、家じゅうの窓ふき。うち、角部屋ということもあり、広さの割には窓がすごくたくさんあるのよね。年内にやれよ、って言わないでw 

サクが自作した平仮名カードで神経衰弱。50音に加え、アルファベットとか「?」「!」みたいな記号もあって、全部で120枚くらいの大合戦である。盛り上がった…。そして大人げなく圧勝した私。夜ごはんは、おせちと、お刺身と、海老とほうれん草としめじのパスタ! サクの要望により、またスマスマの5人旅を見る。サクは4回目、私は5回目ですよw

 

『床下の小人たち』 メアリー・ノートン

 

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)

  • 作者: メアリーノートン,ダイアナ・スタンレー,Mary Norton,林容吉
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/09/18
  • メディア: 文庫
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ジブリの「借りぐらしのアリエッティ」は未見だし、この原作も未読だと思っていたけど、呼んでいると何だか知っていたような、懐かしい感じがした。もしかしたら子どもの頃に読んでいたのか? それともこういった名作にはどこか共通した匂いがあるのかな。

子どもの頃に読んでいたら、床下の小人たちの暮らしのディテールにどんなに胸を弾ませたか、容易に想像できる。椅子は糸巻き。壁を飾る絵画は郵便切手。マッチ箱で作ったタンス。(人間の)台所の湯沸かし器の管に空けた穴から出て来るお湯…。

こういうディテールに惹きこまれるのよね。床上の人間の家も、床下の小人たちの家も、まったく細かく描きこまれていて、精巧な間取り図やインテリア、生活のためのインフラをあらかじめ精巧に構築したうえで書かれているのだなあと感心する。大人になった読者の心もつかまれます。

とはいえ、大人の私は悲しいことに、まるきり子どもの感覚では読めない。大人の目で読んでちょっとびっくりするのは、

このお話には、立派な大人が1人も出てこない! 

子どものために書かれた物語だっら、子どもが安心できたり、「こんなふうになりたいなあ」と憧れたりできる大人がいそうなもんなのに。

出てくるのは、小言が多く、人を見る目もちょっと斜めなお母さん。穏やかだけれどあまり威厳はなく、年齢を重ねて「借り」仕事にもちょっと衰えが見えるお父さん。お母さんいわく、かつて同じ屋根の下で暮らした小人たちは、みんないばり屋だったり低俗だったり。人間の大人、ソフィおばさんは酒浸り。アリエッティたちのラスボスになる料理人のドライヴァおばさんは、神経質で意地悪で、いいとこなんかひとつもないくらいの描かれ方だ。

そんな中でも、アリエッティは、おしゃまで、知恵もあって、面白い女の子に育ってる。工夫して作られた床下の家は居心地が良さそうだし、ちょっとした楽しみもある。両親は欠点もあるけど悪い人じゃないし、一生懸命に暮らしを立てていて、一人娘のアリエッティを愛してる。世界は完ぺきじゃなくてもいいんだよね。

それでも、それでも!
お父さんのポッドが  “人間に姿を見られてしまってさあどうしよう”、となったとき 、アリエッティが吐き出した淋しさが痛々しくて胸に刺さった。

私はずっと引っ越したかった。
今の床下の家は、湿っぽくて暗い。
家族3人きりの暮らしは淋しい。

「私は閉じ込められている」と子どもに言われたら、親はすごくつらいだろう。
だけど、アリエッティが言う「私は閉じ込められている」は希望につながるのだ。

ここは暗いから外に出てみたい。
他の人や動物に会ってみたい。

親がどんなに「世界は広い、世界は危険」と言い聞かせても、アリエッティはおそれない。
狭くて暗くても、工夫や愛情や知恵のある暮らしが、子どものの冒険心を育てた。

床上に行くことを初めて許されて、胸がいっぱいで眠れないアリエッティ、
床上に出ると、父親から離れてどんどん行ってしまうアリエッティ、
太陽の光や、風や、花を見て感じるアリエッティ、
人間の男の子とどんどん話しちゃうアリエッティに、ドキドキするけど、それ以上にワクワクする。

アリエッティと男の子との結託により、床下の暮らしは激変。「こんなぜいたくな、内緒の暮らしがいつまでも続くわけないな・・・」と、楽しい中にも不安の芽を感じながら読み進めていくと、案の定、ドライヴァおばさんの登場である。

小人たちの存在を知ったおばさんは、アリエッティたちをすっかり駆逐しようとする。一家はついに移住を迫られ、両親は打ちひしがれる。そんな、物語最大の危機にすら、アリエッティは「ついに移住できる!」と喜びに打ち震えて泣いているんである。この、頼もしさ!

床下を出た一家の消息は、想像で語られる。屋根もなく物資も乏しく危険な動物たちも多い、どんなに「ひんきゅう(貧窮)」した暮らしかと思えば、実は「すばらしい暮らし」だったはずだ、という。

そこで語られるディテールがまた、いい。アナグマの巣はいろんな部屋があってすてきな住まいで、野原ではイチゴや小鳥の卵、川では小魚なんかがとれて食糧も豊富で、先に移住していた人たちがたくさんいて子どもの遊び相手も事欠かず、あれだけ移住を嫌がっていたお母さんも、なんだかんだいって張り切って、生活力を発揮しただろうと。

物語の序盤で、男の子が語る「小人は、おこりっぽくてうぬぼれ屋、でも内心は怖がりで、こわがってるうちに、親から子、子から孫とだんだん小さくなって、身を隠して済むようになった」という説は、なんだか示唆的だ。恐れや憎しみが人を小さくさせる。排他的になり、閉鎖的にさせる(その果てに、争いや「英雄的な戦死」があったりする。男の子は長じて戦死したのだと、プロローグのうちに説明されているのだ!)。

だけど、小人の少女アリエッティは、好奇心と勇敢さで、「大きな男の子」と仲良くなる。帰ってこなかった「ルーピーおばさん」の話で外の世界の危険を示しながらも、「怖がっていたお父さんとお母さんも、みんな元気に楽しく暮らしたんだよ」という顛末は、まさに子どもたちが読むのにぴったりで、幸せなだけじゃなく、冒険したくなるような、わくわくする余韻を残す。

 

 

師走の十九 / 年末

●12月某日: 朝、義父より電話。先に帰省していた甥っ子からノロの波が来てるとのこと。例年、義実家で年越ししてるんだけど、今年は協議の結果、帰省をとりやめることにした。まあ、義実家自体には毎月帰省してるんでね…。家族だけで年越しって結婚してから初めてやね、と夫に言うと、「おれ、両親と別々の年越しって生まれて初めて」と言う!! そんな私も結婚するまで実家の両親と別々の年越しはしたことなかったから、私たちは超保守的な夫婦ですねw 

さて、いつもは義実家の(主に義父が腕をふるう)おせちに頼りきりだったが、こうなると多少なりとも正月らしい料理を用意せないかんよね、ということで買い物に行く。年末のスーパーってこんなに正月シフトになるんだー、とあらためて驚く。そして何でも高いのね・・・あたりまえだけど・・・。まあ、言っても家族3人だし、おせちも2,3度食べたら飽きるので、少量の盛り合わせっぽいもので十分じゃない?なんて夫が言うけど、やっぱり作った方が美味しいよねー。

家に上がる前に家族3人でなわとび大会。幼稚園でやってるとおり、2本を結んで大縄跳びに。久しぶりに跳んだ。子どもは当然として、自分が意外に跳べて感動するアラフォー夫婦であるw

さて、 『ねじまき鳥クロニクル』全3部 を読み終わった! ポツポツと少しずつ読んで1か月くらいかかったかな。面白かった。消化するには時間かかりそうだけど、ノモンハン満州の描写が圧倒的だったなー。

午後、チビ鉄雑誌『鉄おも!』年末年始特大号のふろく、「鉄道かるた」をサクがさくさくと切り取って準備し、カルタ大会始まる。私vs夫(読み手サク)、夫vsサク(読み手私)、サクvs私(読み手夫)という総当たり戦。ちょぴっとだけ手を抜いたらサクが2勝して大いばり、「おれが、『おう』だ」と言っている。15:30からランニング8.2km。すばらしい冬の晴天。

夜ごはんは、我が家で初めてのたこパ=たこ焼きパーティ。先ごろ、ホットプレートを新調しましてね。ひっくり返したり、ソースを塗ったりと甲斐甲斐しいサク。要領も良い。すごく役に立つ子やぁ~(モグモグ)。キャベツとキュウリのサラダ、年末年始用に作った豚と根菜のポットローストも少し。

 

●12月某日: 大みそかだけど早起きして放送大学の講義視聴。毎日新聞を求める散歩は隣町のスーパーまで、時間がないのでだいぶ走った。2日分の洗濯、ローストビーフや田作りを作る。年越しそばはお昼にいただいた。午後、刺身を買い、いつもより少しいいワインも買う。

民放で田中将大前田健太とのストラックアウト陣取り対決を見てから、紅白を追っかける。相葉くんの勇姿で始まった瞬間、うるっとしながらも、こ、これ想像以上に緊張するわ! 途中でサクを寝かせてから、紅白なます作ったり、黒豆茹でたりしながら紅白。もちろん、ちびちび飲みつつ。黒豆ふいちゃった、てへ。なんかいろいろ寒かったけど(夫「ゴジラと紅白はなんか関係あるんか?」)、オーラスの相葉くんの涙に胸がいっぱいですよー!! そのあとの紅組大逆転にあんぐりして、サッとふとんに入る。年明けとともに夫に「あけましておめでとうございます」と言われて笑った。律儀w

 

師走の十八

●12月某日: 関東から親友が帰省してきたので、うちでランチなど。1歳10か月の男女の双子ちゃんも一緒。着くなり元気にサクのおもちゃをいろいろ探索して回る。友だちからおみやげいろいろもらった中に、サクのブームを知ってPPAPのクッキーなるものが入っていた。チョコペンでクッキーに描けるってやつw ランチは福慶の中華まんいろいろを中心に、あとスープとかかぼちゃサラダとか。子どもたちにはソーセージまんや金時いもあんまんや、ふわふわの白まんとう。サクは午後から近所の友だちの家に遊びに行く。福慶の小籠包セットをおみやげに持たせた。

親友とは中学時代にアイラブSMAPやら夢がモリモリやらを見て「昨日のあれ、見た?」と話したり、BEST FRIENDをリアルタイムでカラオケしたりしてた仲間。スマスマ最終回の録画を見ながら「損失だよねえ」と言い合う。

夕方、さあ帰ろうかとなったときの、双子ちゃんのママ抱っこを巡る「仁義なき戦い」がサイッコー! ママが一人で毎回これに対応するのほんと大変だけど、時々見るこっちからするとかわいくて健気でたまらん。サクは友だちと公園でも遊んで元気に帰宅。夜ごはんは餃子や野菜スープなど簡単に。夫は納会で食べて帰って来た。サクが「5人旅をお父さんに見せたい」と言い、また最終回を再生。彼が寝てからは、森くん脱退とかの部分も見る。

 

●12月某日: 今日から夫が正月休み。サクが朝、「おおそうじ、いつするの?」と尋ねる。口ごもるわれわれ夫婦w 今日やっと、年賀状を仕上げて、出した。まだこんな段階よ…。

昼は近くのラーメン屋に。久しぶりで美味しい。銀行に行って、甥っ子たちのお年玉のために新券を調達したり。夫は夜、大学時代の同窓会に行ったんだけど、行く前に夜ごはんを作っていくんだから大したもんです。私は病気でも病的な料理ベタでもないんですが、彼の好意を有難く受け取りますです。ということで、鶏手羽としめじと玉ねぎの甘辛煮など。そしてサクの要望により、まさかの3日連続で「SMAP5人旅」再生。

 

『おんな城主直虎』 第8話 「赤ちゃんはまだか」

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(今回の放送前↓) 


(今回の放送後↓)





さすが、貫地谷しほりは芸達者だなあ、と。ウェットで思い込みが強くてめんどくさい女を、どこかかわいらしくユーモラスに演じてた。大河ももう4作めですか。個人的感覚として、「龍馬伝」と「八重の桜」では、(クレジット順など)番手の割に個性を発揮する機会が少ない役だったと思う。今回は逆になりそうで、楽しみ。そして「風林火山」のミツは、内野さん演じる勘助の原初の女として鮮烈な印象を残す役。春からBSで「風林火山」再放送やるんですっけ? 見られる方はぜひ!

4回続いた幼年時代、その後も幼なじみなど人間関係を描きこんできたわけですが、さらに思いきり針をドメスティックなほうに振りきって、ここから、桶狭間に始まる時代の奔流へと向かうのですね。なんだかとても腑に落ちる。

時代の嵐は容赦なく井伊谷を襲うのだろうけど、これからも、このドラマにとって時代はあくまで「舞台装置」なんじゃないかなと思う。激しい時代の中で、人間の激しい煩悩や、感情のぶつかり合いが描かれ、時に、その混濁を超える美しさやすばらしさが描かれる。激しい時代だからこそ人間の核みたいなものが剥き出しになる。そういうドラマなのかなと。

しのの、次郎に対する気持ちを、単なる嫉妬心ではなく「みな、私が次郎さまだったらいいと思っている」と表現させたのは、さっすがうまい脚本だなあと思った。これ言われたら、100パーしのちゃんの被害妄想だよ、とは言えないよね誰も。

そしてさらに「森下節だなあ」と思うのは、その「しのの可哀想さ」を逆手にとって、「じゃあ自害しろ、われが大手を振ってそなたの場所におさまる」と次郎本人に言わせるところだなあ。するとしのは、「私はこの場所から何としても降りない。どんな手を使ってでもしがみついてみせる!」と悲劇のヒロインを演じるよりもっと強い意思にたどりつく。次郎という他者への恨みつらみより、「己がどう生きたいか」ってことに気づくんだ。

さらに! 直親のこともついでに(違)一喝した次郎は、その足で両親のもとへ。ブチギレながら相手をバックアップするという新しい手法w 「授からないのは既にあなたが呪っているからではないのか」と言われた次郎が「両親に報告する」と激昂したとき、「おーおー、そんな、100パー勝っちゃう手にでるんかい」と思ったけど、こういう形での報告になるんだねえ、とホロリであった。

毎晩のどじょう攻めとオイオイ泣きの場面もあり、これ直親もけっこうつらいよね、という見せ方だったと思うのだ。塞ぎがちだったり情緒不安定な人間とマンツーマンで毎日向き合うのはしんどいことなのだ。直親はしのを徹底的に邪険にしていたわけではない。どじょうを毎日でも食べて、泣きつかれれば抱きしめてやっていた。千賀がすすめ、奥山が娘を叱ったように、側女を持とうとするのは直親の立場的に非道ではなくむしろ普通のことだ。

「なぜ共に悩んでやらぬのか、しの殿はどうしてこんなに一人なのだ」次郎には夫婦の現実のしんどさはわからない。でも、次郎に言われたからこそ、直親には(きっとしのにも)響いたんじゃないかな。次郎は、夫婦の喜びとも悲しみとも生涯縁がない者なのだ。次郎の直親への言葉には、非難とか叱咤というより、何かもっと切羽詰まった響きがあった。自分が得られない「めおと」という関係が、当人たちのやりようによって壊れかけているのを見てしまった悲しみ。

直親にあそこでため息をつかせるのもめっちゃ森下さんらしいし、「しのもしのだよなあ・・・」と思わせる描写で、本当に全員が人間として高低差ない同じ位置にいるというかね。誰かひとりを下げたり上げたりしないんだよね。

政次も政次で、ひでーこと言ってたよな。還俗して俺と一緒になるかとか、麝香を自分で使えばとか、本来、そういうこと一番いけない立場なんだし、そんなの無理に決まってるって一番わかってるんだよ。今川の目付なんだから。でも、おとわには言っちゃう。脊髄反射っぽく言っちゃう。ダメな男だなー。

おとわが、亀のために健気に尽くす姿が癪に障るんだよね。それは「俺のためにはこの100分の1も働いてなんかくれないくせにくせにくせに」っていうちっちぇー気持ちもあるんだろうし、井伊の役に立ちたい、誰かの竜宮小僧でありたいと、衒いなく素直に動けるおとわが眩しすぎて苛つく部分もあるのかなと思う。政次は「まっすぐ」な生き方からは遠くにきてるもんね・・・。そういう生き方になっちゃう人間もいるんよね・・・。

千賀さんが、賢いんだけどどーにもこーにも保守的というか、「世の中とは / 武家の女子なら / 井伊の立場なら」と、あらゆることに対して「しょうがない」「そういうものです」なスタンスっていう設定だよね。そして瀬名姫んちをどんだけかわいく愛おしく描くんよー!!!

 

 

師走の十七 / サンタさんがやってきた ・ 社会のしくみをある程度わかってる6歳児

●12月某日: 朝ごはんをたらふく食べてチェックアウト。どこにも寄り道せずまっすぐ帰路につくといっても否やのないサク。「サンタさん、きてくれたかなー」プレゼントが気になり始めたらしい。ちなみにサンタが来るのは24日ではなく25日の夜だと思い込んでいるらしいサク。ま、別にいっかと看過している。

去年は玄関先にあったので、家に入るや「あれ?」と首をひねるサク。あちこち見ても見つけられず、だんだん不安げになって「おかしいなあ」と言いながらベランダまで出ていく姿がなんか可哀想になってヒントを教えてあげた。窓際のイスの上・・・目線がそこまで上がってなかったようで、見つけると「あったー!」とうれしそう。中身は、おてごろなラジコンカーと、ラQという、ブロックよりもうちょっと小さくて高度なブロックみたいなセット。

サクは「手紙を書く」方式を知らないし、特にこれが欲しいというものもなかったらしく、とにかくサンタさんが来てくれたことがうれしいらしい。さっそくラQを開け、すぐにコツを掴んで立体を作り始めた。とても静かに集中している。私は年賀状の印刷など。今年もギリギリだなー。夜ごはんはチャーハンと味噌汁。

 

●12月某日: ラQづくり絶好調のサク。朝ごはんのあと集中して飛行機づくり。冷たい雨の中、電車と地下鉄を乗り継いで別府の福慶へ。

蒋さんの笑顔に迎えてもらい、その場で白菜肉包と醤肉包とあんまん、そして私はピリ辛麻婆春雨まんも食べてあたたまる。蒋さんが他のお客さんの応対に行くと、サクが「あのこと、いった? アフリカンサファリ」と耳打ちする。「え?言ってないよ」「いったら?」彼の中でとにかく強い思い出になってるらしい。

ちょうどクリスマスどうしてた?という話になったので、アフリカンサファリに行ったんだよ~と水を向けると、蒋さんが「へぇー大分にそんなところがあるんだね、うちも行ってみたい」と言ってくれたのでジャングルバスのことなど詳しく話すと、サク

「ライオンのエサをトンビがさらっていった」
「我が家から差し出した肉を巡ってライオン同士がケンカした」

と、あの旅のハイライトを興奮気味に語った。

帰宅後は「ばーちゃんに アフリカンサファリのことをおしえなきゃ」と手紙を書きだす。文章の他、それぞれの動物にあげたエサやエサはあげてないけど見た動物の絵、そしてもちろん「ライオンのエサをトンビがさらっていった」事件などが書かれ、最後に「くわしくは、○○○(←我が家の部屋番号)へ」とある。うちに来たら詳しく話してやるってことだ。ウケる。「詳しくはwebで」の感覚なんだろうなあ、デジタルネイティブだなあ。

夜ごはんは、ひじきときゅうりなどのドライカレー風のもの、かぼちゃサラダ、味噌汁。夫は飲み会。

【今日のサクとの会話】

私 「サクちゃん足が強くなったね。まあお母さんの方が強いけどね。お母さん10キロ走れるけんな」

サク「じゃあ おかあさん、かごしまからとうきょうまで あるける?」

私 「そりゃ無理やろ。でも昔の人は、みんな東京まで歩いて行ってたんだよ。西郷隆盛は鹿児島から、坂本龍馬は高知から」(←サクが西郷や龍馬を知ってるわけではないが・・・)

サク「えーーーっ!」

私 「たぶん2週間くらいかかったと思うけどね」

サク「ごはん いっぱいもっていかな いかんやないかよ!」

私 「ごはんはね、その場その場で買ったり、お店で食べたりするんだよ」

サク「ねるとこは どーすんだ?」

私 「たまには外に寝ることもあるけど、基本は旅館みたいなとこかな」

サク「えーーーっ! じゃあおかねいっぱいもっとうひとやないと、いけんな!」

身体の話が経済の話に帰結…この社会のしくみを理解しかけているな…

 

2/12 読売新聞 「トランプ大統領登場の背景 アメリカポピュリズムの歴史」

『ごちそうさん』 第16週 「汁の棲み家」

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師走の十六 / アフリカンサファリ・湯平温泉

●12月某日: 旅の朝は温泉に浸かることから始まる。サク「やっぱり、あさぶろはさいこうだよなー!」親の受け売りだろうがいっちょまえな口をきく。しかしまだまだ甘いな、朝風呂後の二度寝まで含めての温泉宿の朝ですよ。二階の、寝室にしている部屋の窓から、山や眼下に広がる町並みの風景を描いているサク・・・の写真を、二度寝の布団の中からカメラで撮る。

保養所をチェックアウト後、別府へ。湯布院から別府への山道。毎回ながら、同じ北部九州でも山の感じが福岡と全然違うと思う。途中で車中にも硫黄の匂いが漂ってくる。アフリカンサファリへ! もう30年くらい前からあると思うけど私も夫も(ゆえに、むろんサクも)初めてだ。

食堂で昼食をとって、予約していたバスに乗る。1グループごとにエサ箱を渡され出発。シカ、クマ、ライオン、キリン、ゾウ、ラクダなどにそれぞれエサをやる。その他、サイやハイエナやトラ、チーター、なんちゃらバッファローなどのセクションにも、随時バスは止まってゆく。

こちらが檻の中に入ったような鉄格子のバスの中からのエサやり。広い疑自然で野生然としている動物たちだがバスからエサをもらうのがデフォルトになっていて、バスが見えるとわらわらと走らんばかりの勢いで近づいてくる。やっぱりライオンがすごかった。こちらが長鋏で差し出した生肉を、上空から狙っているトンビがさらっていく。おこぼれをもらって群れを維持している本当の野生のトンビなのだ。すごく素早い。そして目の前で生肉をめぐって2頭のライオンが激しく吠え合う喧嘩。

さらに、すべての生肉をやり終わって「もうないよ」の合図(長鋏を下に置く)をしているのに、バスの窓から離れず至近距離でこちらをじーーーーっと見つめてくるライオン様。運転手さん兼ガイドさんが「ライオンは私たち人間のこともエサと思っています、エサをくれるエサだと思っているのです」などと面白いこと言うからなおさら怖い。この方、ドキドキと安心とをうまいさじ加減で繰り出してくる軽妙なトークと運転技術、プロの仕事だった。

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(ライオンさま)


サクも、揺れやすい車内と臨場感ある動物たちとの邂逅・ふれあい(といっていいのだろうか)に、約1時間の乗車中はやや青白い顔をしながらも、とても強い印象を残したらしくあとあとまで思い出を語っている。降車後は、軽くおやつを食べたり、広い園内を散策したりして休憩。鳥ブームのサクは先ほどの野生のトンビを模して羽(腕)を広げ、テンション高く不規則に走り回っていた。人口密度の高くない広い園内なので、こういうとき気楽。

夕方、湯布院方面に戻るような形でし、さらに奥手の湯平温泉に投宿。小さくて素朴な温泉郷。歴史は古く、メインストリートの石畳は300年前のもの。とはいえ日曜日の夕方、すごく静かで、さびれているといっても過言ではなく、現にメインストリート沿いに廃墟と化したホテルが。でも、10数件の宿と、いくつかのカフェとバーと土産物屋さんと・・・ここで暮らして働いてる人たちがいるんだよなあと思う。花合野(かごの)川、川幅は狭いがすごい水量。

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私たちの宿は5室だけの旅館。女将さん自らが食事の世話などしてくれる。部屋の真ん中には大きな炬燵が据えてあり、「いえみたい」とサク。うん、落ち着く。「主人の母から受け継いだ旅館です」とのこと。食事はとても美味しく、たっぷりの量だった。鴨鍋とカニグラタン、ヤマメが印象的。


 

師走の十五 / 湯布院でメリークリスマス


●12月某日: クリスマスイブ。ゆうべ遅かったので朝寝坊したかったけど、家族につられて7時過ぎに起きてしまった(いつまで寝るつもりだったのかは聞かないで)。

ヒマつぶしに(?)サクとクリスマス工作。紙皿をくりぬいて絵の具を塗って折り紙やらを貼るリースと、雪だるまつなぎのメリークリスマス。

午後から、協議の結果、湯布院へ。どうも夫の風邪が完治しないので、当初から2泊の予定のところ、今日は諦めて明日の1泊だけしようと提案したのだが、サクが首を縦に振らない。夫は大丈夫だと言う。ええー無理してがんばって行かなくてもいいんじゃないのぉ-、と基本的に出不精な私だが、まぁクリスマスだしがんばりますか!てことで腰を上げたわけです。

幸い、道はいい感じに空いていて、ドアtoドアで2時間もかからずに湯布院の別荘村に到着。すばらしい晴天で由布岳が輝いていた。4月の地震の後はしばらく閉鎖されていて、久しぶりに来た。町のほうは観光客いっぱいで何より。

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家で作ったクリスマス工作をマステでペタペタと壁に貼り付け、さっそく温泉に入り、夜はチキンやらサラダ、焼き野菜と、お店で調達したオードブルなんかで簡単だけど気ままに楽しくクリスマスの夕食。直前まで風邪をこじらせていた夫とスパークリングワインで乾杯できたので満足なクリスマスイブです(私はその後もビールやらワインやらだいぶ飲みましたが。)

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ここ大分ではフィギュア全日本の放送がないのでTLでちょいちょい様子を把握。羽生がインフルエンザで欠場した今大会、宇野昌磨が初V。最有力候補だったとはいえすごいプレッシャーがあったようで、演技後は涙ナミダだったそうで。2位には田中刑事が入って、SP首位の無良は総合3位。女子SPはランク的にトップの宮原が76点超え、樋口や本郷など有力選手が順調に上位に入り、浅田真央は60~点で8位だそうな。