『真田丸』 第28話 「受難」

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私、「真田丸」見て初めて泣いたんじゃないかなっていう第28話です。なんといっても新納慎也さんの演技がすばらしかった。優しげで、繊細で、ちょっとおバカで、これほどまでに愛すべき秀次像、そして彼が滅びていくさまの哀切は、脚本もだけど新納さんの演技によるところもかなり大きいのでは。あと、寧さまの悲しみの表現もすごくよかった。新納さんがブログに鈴木京香とのオフショットをアップしてたんだけど、すっごく綺麗で若いのね。寧さんは演じてるんだなあと思う。若くて美しい茶々との対比もあるし。

サブタイトルは「受難」で、ここでキリスト教のモチーフが出てきたのにも驚かされました。謀反人=支配者への反逆者として処刑「されたことになった」秀次ですし、本質的な意味では支配者によって滅ぼされたともいえるでしょう。引っ立てられていく妻子たちは、殉教者たちの列のようにも見えました。

秀吉が秀次を滅ぼしたのではなく、秀次が自ら出奔し死に至ったのを制度の中で正当化するための切腹申しつけ→妻子の処刑 というのは、初めて見た者にとっては大変斬新だけど、妙な説得力を感じました。実際、秀吉の年齢と拾の年齢を考えれば、豊臣政権にとって秀次の存在は大きく、彼がいなくなって得をするのは、豊臣政権よりもその終焉を願う有象無象の衆としか思えません。

いや、ドラマでは徳川や真田が「待っている」姿を描くいっぽうで、秀次の縁戚関係をまったく描かず(妻が30人もいればすごい数の縁戚がいて、そこには数多くの政治的関係があるはずよね)に済ませたから、このような感覚になるんでしょうけど、そういう「導き方」がつくづくうまいドラマであります。

本当はちょっとね、もうちょっと政権構造とか社会システムとかに触れた展開を望んでいるんだけど、まあ大河ドラマって昔から、朝ドラに負けず劣らずホームドラマですもんね・・・

 

しかし秀吉と秀次の心がとことんすれ違ったあげく、ポジション的に弱い秀次が心を病んでついに自死するという流れはあまりにも胸にくるものがありました。


拾を支援するために必要と思っている茶々。一度は「ありのままの貴方で」と秀次自身を肯定する言葉をかけたが、「秀次には荷が重いのだろう」と慮った寧。優しい兄を慕っていた秀保、秀俊らの弟たち。今でも孫七郎と呼んで彼の気の優しさを理解し好もしく思っていた福島正則(ほんのちょっとの彼の出番が、今回すごく大きかった)。自分なりに力を尽くした信繁。そして「かわいい甥っ子」の言葉には真情もあっただろう秀吉。

秀次の周りには現時点で彼を滅ぼしたい者は誰もいなかった、むしろみんなが彼を大事に思っていた。それでも、彼を誰も救えなかったっていうのがね・・・。

信繁はしきりに当事者同士を会わせて忌憚なく話させようとしてたけど、それが叶ったとして事態は変わっただろうか? 信繁と信幸がそれでうまくいったのは真田だからだろう。秀次は既に「もう二度と秀吉に会いたくない」レベルまでいってた。どうしてそこまでいっちゃったかというと、2人共が政権の中枢にいるから。彼らが権力という衣を着ているからだ。今さら対面して秀吉が何を言っても心には響かなかっただろうし、秀吉は秀次の心を動かせることを言える人間ではないだろう。

ただ、「1ヶ月の謹慎」 1ヶ月では短いだろうけども、そうやって職位と権力から離れて療養することで多少なりとも良い方向に向かったかもしれないとは思う。そう考えるとやっぱり、間に合わなかったのが悔やまれるし、でもそりゃ間に合わないよな秀次にとっては、とも思う。

「秀次、なぜ死んだ」という怒りにまかせて妻子を殺し、そののち泣いている秀吉という人間のメンタルが、こうして回を積み重ねてきているので大変説得力があった。あと、「重版出来」でも思ったけど、小日向さん、加齢による猫背(というか腰が曲がる)の演技が超うまいよね。

今回、非常に印象的だったのは秀次と信幸が語り合う場面で、ああこのために、先週のお兄ちゃんブチギレもあったんだなと。豊臣と真田の対比の構図は先週時点で見えていたけど、個人的にはやっぱりちょっと作為的だったかなーと思っている。

ただ、そんな作為をどうしてもやらなきゃいけなかったのは、もちろん、それが今後につながるからなんだろう。どうつながるんだろうと考えているけどまだよくわかんない。

先週あれほどブチ切れてたお兄ちゃんは、今週やはり自分から信繁に謝った。信繁にしたら、「さすが兄上、時間をおいたら本当に冷静になられた」って感じなんだろうけど、視聴者は秀次との会話を見ているわけで。

信幸は秀次に救われたのかもしれない。秀次に向かって「自分も同じように大変なんだ」と言いながら、やはり秀次の圧倒的な荷の重さを感じただろうし、それでも自分に対してはどこまでも穏やかで優しい秀次に打たれただろうし、自分は信繁には振り回されておらずただ嫉妬していただけなんだと気づいただろう。秀次のことを誰も救えなかった、でも秀次は死ぬ前に似た苦しみにある信幸を救った。

キリストの受難には「身代わり」という意味合いもあると思うんだけど、秀次の死に身代わり要素があるなら信幸かな、いや信幸は死ぬほど苦しんでいたってわけじゃないけど、今週になっても思いつめて官位返上を申し出たりはしてたわけでね。

で、信幸は秀次を救えなかった。信幸にとって「救いたいのに救えなかった」「間に合わなかった」っていうのは、今後また、大きなやつが控えてるんだよね。今回を踏まえた描写になるのか、注目であります。

信幸の「つらいのはあなた(秀次)だけじゃない」は、先週のおこうのセリフのリフレインでもある。やっぱり夫婦なんですねー。おこうさんもつらいんだ。つらいけど覚悟を決めていてかっこいいんだ。それに比べれば稲ちゃんは子どもだけど、実際まだまだ若いんだし(だよね?w)やっぱり私には稲が気の毒にも見えるなー。いまだに、嫁いできたときの寒がりな子どもなんだよね。歩み寄っても心を開かない嫁に信幸が苦慮するのもわかるけど、それで「病弱かどうか今ひとつわかんない前の嫁」を抱きに行ったのは信幸だからなー。

豊臣と真田の対比で言えば、「どうしてもやる気がおきないから、表向きは俺がやってることにしておまえやってな」と意に染まない仕事からいともやすやすと逃げ出す昌幸な、このテケトーさが必要なんですな、でも引き受けてくれる息子がいるからできることだけどさ。あと吉野太夫に脂下がってるの薫様に隠してるけどな。薫さまの出自がここで俎上にあがってくるとは楽しみ。昌幸は知ってんのかな? 家庭内で嘘がある、ってのは今後に響きそうではあるよね。

なるほど、ここで呂宋助左衛門なのか、おたかはこうなるのか、と。鬱陶しいきりちゃんは秀次にとっては聖母のような存在だったのだね。で、信繁ときりちゃんって結局最後の最後までめおと関係にはならないような気もしてきた昨今です。

 

 

卯月の二十 / 皐月の一

●4月某日: 連休中だというのに夫も子どもも朝が早い。夫なぞ6時過ぎに起きてランニングに行っていた。午前中から料理して、友だちの家で持ち寄りランチ。うちからは、唐揚げ、チャーハン、たけのこごはんのおにぎり、野菜ピクルス、赤ワイン。もちろん夫も(夫が?)もりもりがんばったメニューである。

友だち(夫)は得意の燻製料理! 燻製をやる旨、前夜に連絡を受けてガッツポーズをした私たち夫婦であるw 友だち(妻)は、豆サラダに、パンそしてシフォンケーキも焼いてくれた! 超うま!! 

 

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子どもたち、よく遊ぶ。庭に降りてブランコにも乗ったり。サク兄ちゃんはなかなか気に入られた様子。うちにまだない「よつばと!」の12巻を読ませてもらったあげくおうちのダンボー人形ももらって彼自身ご満悦であった。

赤白ワイン飲んでいい感じでほろ酔いで帰宅、しばし休憩して夜は夜でもりもり食べる。イカとみぶ菜のパスタ、ぶりのカマ焼き、野菜ピクルス、キャベツ。『ブラタモリ』熊本の回の録画を見る。水の国、熊本。今は水前寺の池が干上がったり、温泉が枯れたりしているとこともあると聞く。番組には熊本の地を愛する人たちがたくさん出てた。桑子アナの卒業回でもあった。『トットてれび』始まる。満島ひかりー!

 

●5月某日: GW前半最終日、ノープランの今日だったがあまりに天気が良いのでどこか行こうかという話になり、思いつきで鴻巣山にのぼることに。決まった瞬間、迷いなく弁当を作り始める夫がえらい、えらすぎる・・・。平尾霊園を通って山道に入っていく。登るといっても100mちょっとの山で、ちょこちょこ立ち止まって何か観察したり寄り道したりしながらも1時間弱で山頂とその先の展望台まで着いた。鴻巣山はマテバシイの森と呼ばれているらしい。ものすごい枯葉のじゅうたん。階段や木道が随所にあってアクセントになっている。

最高気温26度とかいう、暑くなった日なので、はじめは「どんだけあるくとー?」って感じで歩みの遅かったサクだが、山らしい景色になってくると暑さも減じるしテンション上がったらしく親の先を行く勢い。途中、ちょうど良い感じにしなだれた枝を見つけてぶら下がるとベルトコンベヤーのように横に流れていったのが笑いのピーク。

お弁当といっても、おにぎり握って、卵焼き作って、ウインナー焼いて、野菜ピクルスの残りとミニトマトといちごを詰めただけだけど、よく歩いた後に食べるとめちゃくちゃ美味しいですよね。食後はシャボン玉して遊ぶ。

帰宅後、私と夫は小一時間寝たけど5歳児は夜まで元気に遊びまくり。夕食は、いわし煮、味噌汁、野菜ピクルス、トマト。『真田丸』家康の上洛。今夜も超おもしろかった!!

 

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卯月の十九

●4月某日: 今日も雨。今日は近所のママさんに一緒に乗せてもらった。朝から大きい病院で以前の病気の定期検診。今回、次回とパスすれば、今後は市などの集団検診でもいいだろう、と言われた。

オートフォーメーションで会計を済ませ、幼稚園近くのクラスのママの家にて、来月の保護者会総会の打ち合わせ。今年度の役員の初めての大きな仕事ということになる。といっても私は役員ではないのだが、(役員外から選出する)議長を頼まれたので出席。まぁ例年しゃんしゃんで終わる会なので気楽に引き受けた。一昨日も書いたがこういう場での雑談は楽しいだけじゃなく何かとママ業にお役立つ。それにしても、彼女(私たちのクラスメートで今年度の会長さん)の家は、おうち自体が立派で調度品などのセンスもことごとく良いというだけじゃなく、いつ来ても綺麗にしてあって心をこめたおもてなしができて、すごいなあと思う。ここにお邪魔しただけで帰る時にはいい気持ちになってる、いつも。

夜ごはん、干しヒラメ、豚テキ(玉ねぎ&大人はかいわれたっぷり)、野菜の焼きビーフン。午後休をとった夫が当たり前のような顔で作ってくれた。ビールのち、赤ワインボトル半分&白ワイン1本を2人で。連休前の解放感!

 

●4月某日: 県美に印象派展を見に行ったついでに須崎公園でお弁当でも、という案を立てていたが、サクに却下される。サクには昨年末、モネ展に付き合わせた経験があり、それを振り返って「えをみてもあんまりおもしろくないもん、むずかしいし」とのことでした…。まーね、子どもにも、絵画に興味の無い夫にも、強いてとは頼めない企画であるw 

昼、ラーメン屋へ。最近、「新・チューボーですよ!」の皆川猿時の回の録画を見たこともあり、担々麺を頼んだ。美味しかったんだけど・・・やっぱり豚骨ラーメン屋の担々麺なんだよね。中華料理のやつが食べたい。八仙閣の担々麺、今度狙うぞ。本屋でたっぷり物色して、1冊だけ買って、ちょっといいスーパーやら100均やらぷらぷらしながら帰る。よく歩いた。暑くて、最後にはセブンイレブンでアイスコーヒーを買った。

夜ごはんは、サバ、かぼちゃ煮、味噌汁、きゅうり。休みが続くのでことさら意図的に休肝日を作らなければならない。

 

卯月の十八

●4月某日: サク弁、オムライス(玉ねぎ、ニンジン、ピーマン、魚肉ソーセージ)、ナスのグリル、きんぴらごぼう、キュウリのおかか和え、りんご。今週は連日のお弁当なのでちょっと趣向を変えてオムライスにしてみた。弁当箱の蓋を利用して包む。帰ってきて弁当箱を出すサク、「きょうのすごかったー! すっごいおっきいたまごやきかとおもって、ひとくちたべてみたら、おむらいすやった!」と興奮ぎみに感想を述べていた。子どもの素直な反応が、こういうときはすごくうれしくて楽しいんですよね。

さて、サクを幼稚園に送って行ったあと、今日はそのまま一室にとどまって、お母さん人形劇段の役員引継ぎだった。一応、昨年度の副&書記として出席。こういう場では雑談も多いんだけどそこから得る情報というのは園生活や育児にとってかなりお役立ちなものです。時々、窓からチラッチラッと園庭ものぞく。サクは何人かと一緒に、年長さんしか使えない大型スコップで一心に山を作ってるようだった。

幼稚園から帰宅後、珍しく昼寝をしたサク、寝起きは超悪いが、30分ほどすると超元気になってきて、夜ごはんのときなどしゃべりまくっていた。「いつもは疲れてるんだな・・・」と夫、しみじみ。夜ごはんは、小鯵の南蛮漬け、麻婆ナス(まいたけと玉ねぎでかさまし…)、水菜と薄揚げの豆乳煮。

 

●4月某日: 1日中、雨の予報。朝は小雨だったのでレインコート&子どもかごレインカバーで自転車登園。クラスのペーパードライバー仲間のママが車で来ていて、駐車場手前の路肩に停車して子どもを降ろしていた。「もうすごいドキドキばくばく。駐車できないからここで降ろしてる・・・」わかる、わかるよー! 気をつけて帰ってね、と別れる。

午後2時、迎えの時間には何故か雨がやんでいて、明日の遠足はいったいどうなるのか、お母さんたちの間で話題沸騰w 幼稚園がわはやはり当初の予定日に行きたいものなので、明日も雨の予報になっているが、こんな調子だったら明日の朝まで様子を見て判断されるかもしれない・・・でも親としては朝に連絡が回ってくるんじゃ遅い! 雨天延期になったら明日は午前保育(お弁当なし)だし・・・。それに明日の予想最高気温は15度、海遊びには絶対向いてない! 果たして夕方、「明日は延期です」とメールが回ってきた。メールの着信音を聞いた瞬間「きっと中止の知らせだ!」とガッツポーズ。昨今、家族や友人とはLINEでの連絡が多くてメールはあまり来ませんからねw 

夜ごはんは、皿うどん(パリパリ麺)、かぼちゃ煮、きゅうりの酢の物。

 

卯月の十七 / スーパー歌舞伎 「ワンピース」 @博多座

●4月某日: サク弁、ごはん、鶏と玉ねぎ煮、きんぴらごぼう、じゃがいも&ピーマンのカレー粉炒め、卵焼き、りんご。きんぴらごぼうもじゃがいもも夫が作ってくれたおかずである。はっきり言ってとっても美味しそうなお弁当である。幼児らしいかわいさとかは(盛り付け含めて)ないけどね! 

さて今日はサクを送っていったん帰ったら、バタバタ準備して博多座へ! 昨年10月に新橋演舞場から始まったスーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」を、明日の千秋楽を前に、ついに、ついに見に行く! 到着してすぐにお弁当をゲット(鯛散らし弁当1,200円。超おいしかった)。

1幕後の幕間でそれをいただいて、2幕後の幕間に備える。出演者たちが熊本・大分地震の募金箱を持って回るのだ。もちろん亀ちゃんのところに一目散に並ばせていただきました。「すごい列になるからダッシュで行ったほうがいいよ!」と先週行った姉からアドバイスもらってたので(姉も一目散に並んだらしい)、本当に迷いなく行ったところ、25番目くらいだったと思う。最終的には亀ちゃん一人に200人は募金したんじゃないかしら。




20分の休憩時間、5分前に「まもなく始まりますので着席してください」のブザーが鳴ったあとも、まだ募金活動は続いてて、その中には亀ちゃんもいて、本当に、幕があく2分くらいにやっとこさ皆さんお帰りに。それも、ルフィーっぽくピョコッ、タタタタッ、て感じで走ってハケてく亀ちゃんで、超かわいくて超胸が熱くなるのだった。他にも、竹三郎さん、石橋直也さんの募金箱に入れさせていただきました。



この募金は、千秋楽のカーテンコールの場で福岡市長高島さんに目録が手渡されるところ、ローカルニュース等でも報道されていました。

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肝心の舞台の感想は、こちらに・・・・

 

終わって、天神まで歩いて、カフェに入ってコーヒー飲みながら舞台の感想をザザザと手帳に書き留める。「すごかった」「すんごかった」って衝撃と感動が強すぎてどんどん忘れていくので・・・。で、急いで電車に乗って、自転車に乗って、延長保育をお願いしてた幼稚園にサクを迎えに行く。



夜ごはん、豚バラしょうが焼き(まいたけ、玉ねぎ)、水菜とチクワのサラダ、卵豆腐。サクが寝たあとビール飲みながら夫と今日の舞台の話など。彼はワンピース好きでコミックス全巻持っているのである(ワンピースが彼の蔵書の9割以上を占めると思うw)。

 

関連エントリ:

lifeismine.me

 

 

 

 

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『真田丸』 第27話 「不信」

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立て烏帽子姿の秀次、新納さんって大和和紀の「あさきゆめみし」から抜け出たような貴公子だな。秀次の運命はもちろんわかっているわけだけど、こういうふうに描くのかーと三谷さんにはやはり瞠目させられる。能が出てきたのも面白かった。豪華な衣装! そして下手くそな源次郎w 堺さんおつかれさまです(笑)。

秀次が秀吉を過剰に恐れているようだけど、落首事件を思い起こせばやはり怖いのもわかるんだよね。そして秀吉のほうも秀次を気遣いかわいがっているようで、やはり疑心暗鬼があるんだと思う。ここは先週のやつし比べからの連続でもある。皆が政権に媚びへつらっているのを悟りながらどうすることもできず先週はへらへらしてたけど、甥っ子が自分のために上手に舞うのを見ると甥っ子だけに正直な怒りをあらわにしてしまう(ここ、酔い方といいキレ方といい、小日向さんさすが巧かった~!)。

秀次に絡めて小早川秀秋まで仕込んでるのもさすがの手練れ。秀保の遺体が運ばれていく映像のインパクトがすごかった。棺ですらないという。ああいう形のカゴって罪人を乗せて運ぶやつだよね…。

あちらこちらで滞留し、あるいは噴出する不信。正直、信幸の“不信で激おこ”は脈絡が乏しかったように思ってる。お兄ちゃんが蚊帳の外だったり信繁に劣等感あったりは序盤で触れられていたけど、ちょっと連続性が途絶えていたというか、そのフェーズはもう卒業したんじゃなかったの?というか。

お兄ちゃんは徳川の養女格の稲を娶り、沼田城のあるじになり、大名として遇されているわけで、堂々たる嫡男ぶりじゃないですか。秀吉の近くにいるとはいえ源次郎とはある意味ずいぶん差がついているわけでねぇ。その沼田の運営が叔父上のダダでうまくいってなかったり稲が相変わらずだったりが描かれてたけど、それでおこうの胸に飛び込んでいってちゃ世話無いよ、と。

でもあそこで本人に向かって怒り爆発できるのが真田家と豊臣家の違いだし、「怒っとったのうー、ま、大丈夫だ」というパパの脱力っぷりに笑わされた。それよりなにより伏見の普請なんかやってらんねー、という(笑)。あのシーンの草刈さん超よかったな。TLで、信幸のキレ方が薫ママにそっくり」っていうのを見て確かに!と思ったわ。

でも悩んでもキレても自力で解決しそうなのが信幸のこれまでの実績で、鬱屈を抱えながらもせっせと城の土仕事みたいなのしてたシークエンスを思い出すんだよね。いや、この流れで稲・おこうともちゃんと対峙するのかな。してほしいんだけど。稲ちゃんの孤立ぶりはさすがに長すぎてかわいそうな気が。浜松からついてきた侍女的な存在もないし。

おこうと稲のシークエンスには感動的というより「これ長引きそうだなー」ってちょっとゾクッとした。「知らないでしょうけどあなたよりつらい思いをしている者がいる」てやっぱり穏やかじゃない発言よ。稲のつらさをおこうには測れない。おこうのつらさを稲は測れないように。この2人の関係と寧~茶々の関係って相似・対比になるのかな。

ま、なんだかんだいって嘘のつけない信幸は、己を生きるんだろうなーという感じはする。んで、最近は切ない顔が多かったきりちゃんが、久しぶりに信繁と再会してウザさ全開だったのが超よかったですよね、「初恋の女」認識はともあれ(なぜきりちゃんが源次郎を好きになったかは描かれていない)止めてくれと言わんばかりの振り返りながらの退場、きりちゃんの真骨頂だw きりも信繁といてこそ自分らしくいられるんだろうなあ。

翻って、きりといるとものすごいチベスナ顔の信繁の「己」ってなんだろう?と考えたり。信幸は「抜け目ない」と評したけど、いろいろ気を回して立ちまわっても信繁は大して役に立ってないどころか事態を悪くしているような・・・? でもそうしながらもいろんな人間に好かれてはいるんだよね。だから、いろんなものを見てしまう。それが信繁の己であり業なのかな。ううーん。


 

 

『とと姉ちゃん』 第14週 「常子、出版社を起こす」 ツイートと追記:共感しない、されないヒロイン

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チーフ演出、大原拓がプロポーズ週以来の登板! 戦時色深くなってから、深川も目黒もとにかく人がいないゴーストタウン的な様相を呈していて、非常に朝ドラ的(=予算が厳しい)でもあったんだけど、ここに予算を使うと決めていたんですねー。確かに戦時中より戦後を作りこむのが相応しいドラマだ。闇市も綾の家周辺もすごい。戦時中の虚無から戦後のカオスへ。劇的な変換が目に新しくて面白い。

五反田たちと再会する常子、綾の家に会いに行く常子、甲東出版を辞める常子、スタアの装い作りで浮かれる常子、そして花山を紹介される常子。高畑充希の演技がすばらしい。

そして脚本。ツイートもしたけど、「自分本位」「共感型でない」「普通の人々」「小さな物語」「言葉を大事に」っていう明確な志向、暮らしの手帖の思想を今やろうと思った作り手いいなと思う。全然違うっていう声もTLでは散見するけど、草創期に、同時代の人間として読んでいた読者はTLにはまぁほとんどいないだろう。読者には読んでいた時代や個人の環境に応じて「自分にとっての暮らしの手帖」があるんだと思う。それは人それぞれなんだと、あなたのも誰のも否定しないし比べないよね、っていう脚本。今大事なのはそういうことだよね、と。

 

>>うそ! ついらい生理痛が?
鎮痛剤、飲みすぎかも…がまんできない痛みを自然の力で緩和しよう

 

 

卯月の十六

●4月某日: サク弁、ごはん、豚肉炒め、なす味噌、のり巻き卵焼き、スパサラ。お弁当には残り物を入れるのが鉄則です! 今日、人が読めば愚にもつかないことを相当連ツイしたんだけど、自分の中でモヤモヤと醸成されてた考えを言葉にして吐きだすのってホントすっきりするなと思った。でも言葉にするってホント疲れることでもある。放送大学の講義もビデオ視聴したし、頭使ったー。別に何の必要もない頭の使い方であるが(笑)。

降園後、友だちの家に遊びに行ったサクを迎えに行って、帰りにその近くの100均で買いこむ。そして夫が会食なので夜ごはんは超手抜きしちゃえーという週末。カップヌードルBIGをサクと分け合う。でも、小松菜のお浸しとか切り干し大根とかは作っちゃうところが私も年をとったなーというところ。野菜が食べたいの・・・。子どもにも食べさせたいの・・・。

 

●4月某日: 午前中、ランニング。家からほど近い川沿いの道を走っていると、前から大きい自転車(夫)と小さい自転車(サク)が。上手に乗りこなしながら近づいてくる顔も私を認めてニコニコしている。不意の遭遇、いつでもかわいい。走り始めて15分もしないうちに雨がポツポツと落ちてきたけど、なんとか粘って7.5キロ。

帰ってシャワー浴びて、夫が作ったニラたっぷりちゃんぽんで昼食をとりながら『重版出来!』2話の録画を見る、まごうことなき小確幸の時間。午後は買い物がてら、夫の車で別府の『福慶』へ中華まんを買いに行く。久しぶりだ。うちからだとちょっと遠いので、なかなかしょっちゅうは行けない。蒋さんは今日も元気。ひとりでやってる店なので、「地震の翌日、お店にいるの怖くなかった?」と聞いてみると、「え?全然」と軽ーい返事。強し。夜ごはんは、きびなごの唐揚げ、ししゃも、あさりの酒蒸し、トマト、きゅうり、スパサラ、そして中華まんも。子どもはソーセージまんと小籠包、大人はピリ辛春雨まんと豚&高菜まん。ビールに合うわー!

 

●4月某日: のんびり日曜日。のんびりとは言っても家事雑事のたまったのを片づけたり。いや私なんてヒマ人なほうです。夫とサクはちょっと遠い公園まで、とってもがんばって自転車こいで行ったとのこと。夜ごはんは焼き鮭、味噌汁、きんぴらごぼう、きゅうりとわかめの酢の物。

 

『重版出来!』 第9話

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一昼夜でいいからオダギリジョーのこと「いおきべー」ってぞんざいに呼び捨てできる身分をください!
 
いやあ、最上もがちゃん、これは美味しい役だわ…。滝藤賢一と寝れるし・・・。この滝藤さんの一寸先生めちゃめちゃいいよね! 
 
という第9話。待ちに待ってた五百旗頭回。これまで、実はたいした活躍をしてこなかった五百旗頭さんです(笑)。いいんですいいんです、この五百旗頭さんがちょっと心配げな顔して編集部のわちゃわちゃを見守ってるだけでドラマの格が何層もアップよ! とはいえ待っていた五百旗頭回です。叫ぶ五百旗頭、走る五百旗頭、告白する五百旗頭、勘所を押さえた脚本演出ありがとうございます。リピートが楽しいです。
 
黒沢や小泉から見ると仕事ができて、「かっこよくてブレない、失敗なんかしない」とまで見える五百旗頭が、彼のモノローグになると迷っている、後悔しかけている、かっこ悪いどころか不審人物でしかないっていう往来でのシャウト。ぐっときますね。
 
若い黒沢たちはいろいろな「初めて」に迷い悩む。五百旗頭たちはキャリアが長いからこその迷いや後悔がある。仕事ができるという点ではもちろん後者に軍配があがるんだけど、両者が本質的に対等にというか、フラットに描かれているのがこの作品らしい良心だと思います。仕事を愛し一生懸命働く者はみな平等。
 
いやおうなく人の人生に関わってしまう仕事だから、悩み苦しみながら描く人の人生に報いあれ、幸あれと願ってしまう五百旗頭。以前の担当マンガ家をライバル社へ送り出したのがその象徴で、結果として売れっ子になった彼の人生を思って編集者としては切なくとも満足していたら、彼は五百旗頭への恨み節を未だに言ってるという(笑) 「全然伝わってねー!」いただきましたありがとうございます。
 
一寸先生とケンボーのあとをつけて交渉を聞きながら逡巡する五百旗頭。「いおきべ何やってんの」もうね、この回、脳内でリンネさんになりながら見ることにしますね。最上もがさんですけど、なりきらせてもらっていいですかね。
 
エンペラーとの間で心が揺れる一寸先生と、見事な試合勘と編集者としての矜持と愛情を持って対峙する立派な黒沢。・・・に反して、かっこわるく(いやかっこいいよ!)走って涙目で「大好きです!」と告白する五百旗頭。かっこわるいのがポイントなんだよね。かっこいいんだけどねオダギリだから。正しいことをしてもらうより、かっこ悪いくらいに愛を告白してほしいときがあるんだよね人間。でも「好きだから行かないでくれ」ではなくその前半しか言えない(言わない)のが五百旗頭という男で、でも、その奥ゆかしさにほだされるのよね~。だってオダギリだし!
 
五百旗頭にとっても、愛を告白できたのは成長というか貴重なことなんだよね。そうすることで、一寸先生がたとえ移籍しても後悔しないですむから。気持ちを伝えるの大事。「ビジネスだけど人と人とのかかわりなんだ、人生かかわりあってるんだ」っていうドラマのポリシーがすばらしく表現されていますね、オダギリジョーによって。
 
一寸先生回で元サヤにおさまったかと思いきや、ついに愛の告白をしてもらえなかったリンネさんがここで去る展開。「バカばっかり」っていう捨て台詞がよかった。そうなの、バカなんだよあいつら。キャプテン翼でいう「ボールひとつにキリキリマイさ」な奴らなの。愛すべき奴らだけど、リンネちゃんは敗北者じゃないんだよ。
 
てか五百旗頭と一寸先生の絡みが尊いな…。五百旗頭五百旗頭オダギリオダギリと言っといてなんだけど、私、一寸先生めちゃめちゃ好きです。中田くんもがんばっていた。描けないのかと思いきや、広い世界に目を向ければ描きたい人は必ず見つかる。その姿を同じ道の大先輩である三蔵山や編集たちが見守っている。って優しい物語だね。
 
 

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卯月の十五 / スイッチインタビュー 唐沢寿明×中村頼永

●4月某日: 午前保育だけど午後に懇談会があるので、迎えに行くときに母と子両方の昼ごはんを持って行く。近所のパン屋で買って行った。クラスのママが、生後1ヶ月になったばかりの赤ちゃんを連れて来てて、抱っこさせてもらう。ああ、小さいわー(癒)。昼ごはんを食べた後はママたちで熊本の地震の話になった(子どもたちはとっとと外に遊びに行く)。こんなふうに小さい赤ちゃんを抱えた人もたくさん避難しているだろう…。

懇談会、前半は、全園児のママが集まるのだが、冒頭にはやはり先生も地震について触れていた。園生活での注意点等のお話は、3年目ともなるとさすがに聞き流す感じになる。その後、クラスに分かれて、4月からの担任の先生を囲んでお話。小さな園で全員がかかわりあうので、親もこの先生がどんなタイプの先生かは知っているし、先生のほうも既にクラスの子(母親も含めて、だろう)たちの顔やタイプは何となく知っている。「でもクラスとして受け持つと、やっぱり知らないことも沢山あって、毎日とても刺激的ですっごく楽しいんです」と、クラスの様子を生き生きと話してくれる、この方もこの園で20年以上勤務している先生である。

夜ごはんはカレーライス、キュウリとトマトと鶏ハムのサラダ、こんにゃくの炒り煮。

 

●4月某日: 午前保育で11時半に迎えに行かなきゃいけない、わずかな保育時間・・・しかも激しい雨風・・・と憂鬱になっていたら、近所のママ(というか、お休みだったパパ)がサクともう一人、この辺の子を車で送迎してくれた。なんと有難い…。でも当たり前だけど来年はこういう日でも歩いて登校するんだよね。うち、けっこう遠いんだよな・・・。

昼ごはんは、サンドイッチと、じゃがいも・玉ねぎ・鶏ハムのスープ。ちょっと足りなくて小さい鮭おにぎりを作って2人して食べる。本来今日は博多座でワンピース歌舞伎のチケットを取っていて姉を誘っていたんだけど、サクを預ける算段がつかず(例年なら今日はとっくに午後保育のはずだったもんー泣)、母にチケットを譲った。なにげに母も姉も歌舞伎初体験。(スーパー歌舞伎じゃなくて)普通の歌舞伎のほうが見たかったかも・・・なんて見る前は言ってたけど、実際は明るくて楽しくてエネルギッシュなワンピースの舞台を2人とも大いに楽しんだようでよかった。

夜ごはんは、豚肉となす・たまねぎの味噌炒め、スパサラ、トマト。夫は急きょ、役員さんのお供で飲み会に。